社員全員と 1 on 1 をした話

2024年12月10日 公開

目次

  1. 「仲良くないんじゃない?」
  2. 1 on 1
    1. 内容
    2. 話してみて
  3. おわりに

この数ヶ月、自分と向き合い続けてきた。
向き合い続けていると、「今まで自分が本当は感じていたこと(気づかないようにしていたこと)」に気づき始めた。

その中の一つに、「仲間がほしい」「居場所がほしい」と思っている自分がいた。
今思うと、自分が High Link を退社した理由も、数ある会社の中から AnyReach に入社した理由も「仲間として受け入れられるか」「居場所になりそうか」という軸は大きな要因だったのかもしれない。

「仲良くないんじゃない?」

それに気づいたきっかけは、前職で立ち上げから一緒にいた友人に相談していたときだった。
相談の内容はざっくりと、「自分は、今の会社に居続けることに少し不安を感じている」ということだ。
自分も自分が今何を考えているのかわからないくらい、整理できていない状態で壁打ちしてもらった。
「なぜ今の会社ではないと思ったのか」「どういうことが次にしたいのか」など自分の今の思考を整理する言葉を投げかけてくれた。
自分の話を聞いていた友人は、一言「今の会社、仲良くないんじゃない?」という言葉をくれた。

「仲良くない?そんなことはない。みんな温かいし、とてもいい人たちだ。」反射的にはそう思った。
…が、「そうかもしれない」と感じる自分がいたことは否めなかった。

次の日も、「仲良くないんじゃない?」という言葉が頭の中でぐるぐるしていた。
その次の日に、病院に向かって歩いているときもずっとその言葉が繰り返されていた。
自分は「仲間」「居場所」がほしいのかもしれない・・・。
なぜそう思っているのかを考えていると「AnyReach には居場所は作れないかも…」とぼんやりと思っている自分に気づいた。
7 月 8 月とあまりパフォーマンスが出し切れず、9 月 10 月に突然お休みをいただき、11 月は原則出社の会社でリモートで復帰している…などのうしろめたさがあった。
どこか、組織に対して疎外感があったのだと思う。

会社のみんなを考えてみると、突然 2 ヶ月休職していた自分とどう接すればいいかも探り探りだっただろうに、みんなは自分を嫌な顔 1 つせず自分のことを受け入れてくれていた。
「正直帰ってこないと思っていたので本当に嬉しいです!」「帰ってこれるのは強いですよ。」「心強いです!」嬉しい声もたくさんいただいた。とても温かく迎え入れてくれていた。
初めて出社した日にはウェルカムバックランチなんていうものを大々的に企画してくれていた。

なのに、自分勝手に居場所は作れないと決めつけて、距離を感じているのは本当に自分本位なんじゃないか。
このまま自分本位な意思決定をしても絶対に今後の自分のためにならないし、みんなにもさらに申し訳無さが増えるだけで、余計に居場所を少なくしてしまう、自分を苦しめるだけだなと思った。
ここで変わらないとまた絶対に繰り返してしまう。そんな気持ちにもなった。

「自分は仲間がほしい」「自分は居場所がほしい」「みんなに仲間として認められたい」そんな気持ちをちゃんと伝えよう。
そのためにちゃんと全力で努力をして、それでもだめだったら、自分の居場所はここではなかった、そんな結論にしよう。
まずはみんなと会いたい、話したい。そんな気持ちが強くなり、家に帰ってきてからすぐに社員全員と 1 on 1 を設定した。

Slack

1 on 1

内容

自分の中で出すべきアウトカム(短期的な理想状態)は、

  • みんなに仲間として認められたい(認められているか確認したい)
  • 自分はどういう仲間がほしいのかを知りたい
  • この居場所は自分にとって心地よい場所なのかを知りたい

ということだな、となんとなく頭に思っていたので、

  • 相手の人生における大事にしていること、価値観
  • 組織の良いところ
  • 相手にとっての自分のポジション

がわかる会話ができるように、質問を用意した。

  1. AnyReach に入った理由
  2. 入ってみて感じた AnyReach の良いところ
  3. 理想の会社像は?
  4. この会社に自分が貢献できてるなと思う瞬間は?
  5. もっとこういう会社にしていきたい、と思うことは?
  6. この会社でよく見聞きする「いいな」と思う言葉や行動は?
  7. 特定の人に対して心配だな、と思う人はいますか?どうしてですか?
  8. 百瀬に期待してることは?
  9. 百瀬がいるときといないときで違いを感じたことは?

特に、最後の 2 つの質問は今までの人生では(恥ずかしくて)したことがなかったので、とても楽しみにしていた。

話してみて

まず驚いたのが、みんなが 1 on 1 をとても楽しみにしてくれていたことだった。
週末に突然入れた予定だし、みんなとても忙しいし 1 時間 block するだけでも相当負担になってしまうだろうな、と思っていた。
だけど、とっても笑顔で、とても前向きに 1 on 1 に望んでくれて本当に心の底から嬉しかった。

また、もう 1 つびっくりしたことは、みんなの自己開示力。
自分の考えていることや自分のことの言語化がうまい。話していて、「心をひらいてくれている」と感じることがとても多かった。
この人は取り繕っているな…と感じることが本当に 1 回もなかった。

1 on 1 を通して、AnyReach と自分の関係性、みんなにとっての自分、自分にとってのみんなの関係性が見え始めていた。
みんなと話してみて、AnyReach は素晴らしい人たちが集まっているな、と強く感じた。
そしてそれには、会社の代表であるこうのすけさんの個性が大きく影響していることを実感した。

1 on 1 を通して発見できたことを少しだけ紹介しようと思う。

みんなに共通する価値観 / AnyReach はどういう居場所なのか

  • スペシャリストというよりはジェネラリスト、なんでもやりたい、やってみたい
  • 自己成長意欲がとてつもなく高い、学び続けたい、大成したい
  • とにかく結果を出すまでやり切る、結果にこだわる
  • 人のことが好き、人に興味がある
  • 仲間意識強い、思いやりがある、明るい、温かい、リスペクト精神、他者想
  • 自己愛が強い、承認欲求が高い、自分のことをよく知っている、大事にしている
  • めちゃくちゃポジティブ

組織の課題

  • 思いやりがあるからこそ、もっと頼りあえる環境にできるといい
    • 背中を預けあえる状態を作る
  • こうのすけさんへの信仰心、同質性が強い。
    • いい意味では個性がパキッとしている。スタートアップの初期のフェーズとしては確実に強い。
    • 一方で、組織をスケールしていく中でこことどう戦うか、どういう意思決定をしていくかが今後大事になってくると感じる。
  • (自分含め)こうのすけさんに必要以上にビビりすぎている
    • 立場上や経験でしょうがない部分もある
    • でも、いつまでもビビっていたら自分の成長は遅くなる
    • こうのすけさんの頭脳以上に会社が成長することができない
      • 会社としてこうのすけさんを天井にしてはダメ
  • 組織の縦、横の連携が弱い
    • みんながそれぞれ自分のことに必死
    • それぞれをつなぐ人が少ない
    • 組織だからこそ出せる非連続を生み出すきっかけが少ない

自分の強み

  • 誰からも話しかけやすい雰囲気
    • 心理的安全性が高い?
    • 話し相手、相談相手、雑談相手
    • お兄ちゃん感
    • 雑な相談をしやすい
  • 情報の整理能力、効率化、スピード感
    • ビジネスと開発、両方の視点で情報の整理ができる
      • 本当にそれでいいの?をぶつけられる思考力
    • 経営経験があるから、会社としてどうすれば最適かを考えられる
    • エンジニアリソースやエンジニアの経験を織り交ぜられる
  • こぼれ球を拾える、細かいところまで見ている

AnyReach では自分の強みをどう活かせるか

  • 組織(縦、横)のつなぎ目、翻訳者、潤滑油
    • こうのすけさん ← 自分 → 新卒
      • ミドルマネージャー的存在
    • ビジネス ← 自分 → 開発
      • エンジニアの相談しやすい
      • tech でのアプローチ
    • 経営 ← 自分 → 現場
      • 執行役員 CPO 時代の経験を活かす

おわりに

1 on 1 を入れたのは本当に良かった。
改めて、「人生を真面目に生きている人」と、ずっと一緒にいたいと思ったし、AnyReach はそういう人たちが集まりやすい環境なんだということを確信した。
この AnyReach という組織、会社を大きくしていくとそういう仲間とたくさん会えるのだろうな、とそんな未来を想像した。

自分の強みについて、知ることができたのも大きかった。
振り返ると前の組織でもそういう動きばっかりしていたな、と思うし、それを言ってくれたこともたくさんあった。
けど、「自分の強み」として聞いたことがなかったので大きなアップデートだった。
し、AnyReach のみんなからそんなふうに思われていたんだ!というのが聞けてとっても嬉しかった。
聞くのは少し恥ずかしかったけど、本当に聞いて良かった。

自分の強みを活かして、今の AnyReach の成長を最大化させられるのはどこだろうな?を考えた。
「オンボーディング・グロースの部分にもっと入り込んでいくのが一番今の自分の強みや興味を活かせるし、組織としてもレバレッジが効くところ」だなと感じたので、最後の 1 on 1 でこうのすけさんにそれを提案した。
結果としては、快く受け入れてもらった。今週からは、エンジニアというロールに縛られず、動きを大きく変えることになった。
この動きで会社の雰囲気、速度が一段階変えられるようにめちゃくちゃ頑張ろう、そんな気持ちになった。

ついでに Slack で使えそうな、この組織を表すいろんな絵文字を作った。
自分な好きな価値観、文化をもっと育てていければと思う。
(裏話: これは前職の同僚だった PM の方が新天地でやっているのを聞き、めちゃくちゃいいなと思ったので参考にしました。)

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あのとき友人に相談していなかったら。「仲良くないんじゃない?」という言葉がなかったら。1 on 1 を設定していなかったら…。
人生は本当に運とタイミングだなと思う。

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