マズローの欲求5段解説に沿ったコミュニケーション

2023年11月21日 公開

目次

  1. 自己実現理論(マズローの欲求5段階説)
  2. 「褒める」ことは欲求を満たすコミュニケーションの1つ
  3. それぞれの欲求に即したコミュニケーション
    1. 1. 生理的欲求
    2. 2. 安全の欲求
    3. 3. 社会的欲求と愛の欲求
    4. 4-1. 承認の欲求 (低い尊重レベル)
    5. 4-2. 承認の欲求 (高い尊重レベル)
    6. 5. 自己実現の欲求
  4. 自分がどの段階にいるのか?

先日、「褒める」ことについて 記事 を書きましたが、褒めるコミュニケーションを行うときに意識していることについて、自己実現理論を絡めて書いていこうと思います。

自己実現理論(マズローの欲求5段階説)

はじめに、自己実現理論というものをご存知でしょうか?
人間は「1. 生理的欲求」「2. 安全の欲求」「3. 社会的欲求と愛の欲求」「4. 承認の欲求」「5. 自己実現の欲求」という5段階の基本的欲求を持っており、低次の欲求が満たされることで次の次元の欲求を求めるようになるという理論です。

「褒める」ことは欲求を満たすコミュニケーションの1つ

マネジメントをする上で「褒める」ことはなぜ持ち上げられるのか。それは人間の本質的欲求を満たすことができるコミュニケーションだからだと考えています。
「褒める」ことを通してより人間の欲求を高次元に向かわせることにより、どんどん褒める対象者の内発的動機づけに繋がっていくのだと思います。

対象者がどの欲求を求めているのかに応じて、褒めるコミュニケーション(や、仕事・ミッションの渡し方)を使い分けることで、より円滑なマネジメント・育成に繋がっていくと思っています。 ここでは、それぞれの欲求に即したコミュニケーションについてまとめてみます。

それぞれの欲求に即したコミュニケーション

1. 生理的欲求

生理的欲求は、生命を維持するための本能的な欲求であり、食事・睡眠・排泄などの欲望のことを指します。
今回の趣旨とは外れますので、割愛します。

2. 安全の欲求

安全の欲求は、安全、安定、健康、良い水準の暮らし、不慮の事故の防止、頑強な保障など、予測可能で秩序のある生活に対する欲望を指します。

  • 配属したてで「右も左もわからない」「いつどうなるかわからない」といった精神状態
  • 失敗したらどうなるかわからない、予測が不可能な状態
  • 部署や役割が変わり、自分の認知範囲が大きく広がり、将来の予測が難しい状態

といったときに安全の欲求が満たされなくなっていると思います。
会社においてこのようなタイミングはたくさん存在しています。

コミュニケーションの仕方

  • 「失敗しても大丈夫ですよ、チャレンジすること自体がいいこと」「ナイスチャレンジ」(保障)
  • 「次もやってみてよ」「次回もこの調子でお願いしますね」(安定)
  • 「うまく進められなかったかもしれないけど、別に何も問題は起きてないし良かったんじゃないですか」(安全)

3. 社会的欲求と愛の欲求

社会的欲求と愛の欲求は、「自分が社会に必要とされている」「果たせる社会的役割」「情緒的な人間関係」「他者に受け入れられている状態」に対する欲望を指します。

  • 会社の一員であるように感じない
  • 友だち、仲間がいない孤独感

を感じている状況などが当てはまるのではないでしょうか。

コミュニケーションの仕方

褒めるとは少し違いますが、コミュニケーションとして例を挙げておきます。

  • 日々の行動に細かく反応する、ちょっとしたことで声をかける
    • Slackの絵文字やツッコミ
  • 会話、食事などに誘う、強引に巻き込む
  • 共感する

4-1. 承認の欲求 (低い尊重レベル)

承認の欲求は、自分が集団から価値ある存在と認められる、尊重されることに対する欲望を指します。 マズローは、承認の欲求の中に尊重レベルが2段階あるとしています。

他者からの尊敬、地位への渇望などを得ることで得られる低い尊重レベルを欲しているときの傾向として

  • 会社から必要とされている気がしない
  • 自分ではなくても良い、誰でもできる

といった状態があります。いわば、「承認欲求が強い」と揶揄されているような状態でしょうか?
マズローはこの低い尊重レベルにいつづけることは危険としています。

コミュニケーションの仕方

  • 他者から見えるところで褒める
  • 表彰する
  • 行動だけでなくて、人にフォーカスして褒める
  • (他者・自分と比較する)

4-2. 承認の欲求 (高い尊重レベル)

高い尊重レベルでは、より自分にフォーカスが当たっている状態です。
技術や能力の習得、自己信頼、自立感を求めていて

  • 成長している実感がわかない
  • 新しいチャレンジができていない
  • 自分一人でできることが少ない

などといった状態が含まれるのではないでしょうか?

コミュニケーションの仕方

  • 新しい行動や結果を褒める
  • 新しいチャレンジの機会を作り、与える

5. 自己実現の欲求

自己実現の欲求は、自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、具現化して自分がなりえるものになりたいという欲望です。 ここまでくると、個人最適になってくるとおもいますので割愛します。

自分がどの段階にいるのか?

他社に対するコミュニケーションにフォーカスしてまとめましたが、まずは自分がどの段階にいるのか?を考えることで、最適な欲求を満たすためのコミュニケーションを得られることに繋がり、より高次元に目を向けやすくなると思います。
自己実現理論については相当説明を省略してしまったので、もし興味を持ったら調べてみてください。
誰かのマネジメントや生き方の参考になれば。

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